352号(2019・5・8)

[対文協だより]

*第163回研究会を開催
 4月4日、対文協第163回研究会が霞が関ビル・東海大学校友会館で午後6時から開催された。研究会は 在日ロシア連邦大使館参事官(二国間関係・政務部)、経済学博士 サープリン=シラノヴィーツキー・ユーリ 氏を講師に招き、「現在のロシアと日ロ関係の現状と展望」と題し講演が行われた。サープリン氏はロシアの現在を概観したのち、日ロの政府間の取り組みや今後の展望について熱意のある講演を行った。(本号特集参照)

*第19回ロシア語検定試験を実施
 3月16日、第19回ロシア語検定試験(ロシア連邦教育科学省認定 東海大学・日本対外文化協会共催)が東海大学高輪キャンパス4号館にて実施された。試験は第1レベルが実施され、受験者数は11名だった。合格を目指して真剣に取り組む受験生の熱意を感じる一日となった。

*モスクワ国立大学・サンクトペテルブルグ国立大学を訪問
 3月25日、「大学、社会と人類の未来」と題しモスクワ国立大学で国際会議が行われた。会議に出席するため、尾郷良幸学校法人東海大学評議員(対文協専務理事)と、渡邉隆司対文協事務局長が、モスクワを訪問した。その後、渡邉事務局長はサンクトペテルブルグを訪問し、サンクトペテルブルグ国立大学言語試験センター ドミトリー・プチューシュキン所長代行と今後のロシア語検定試験に関する展望と予定について打ち合わせを行った。プチューシキン氏は対文協を日本におけるロシア語検定試験の良きパートナーと高く評価した。

*日本ブルガリア協会総会・懇親会
 4月12日、駐日ブルガリア共和国大使公邸にて日本ブルガリア協会(松前達郎会長)の第17回総会と懇親会が開催された。山田清志東海大学学長(日本ブルガリア協会副会長)が議長を務め、総会は無事に終了した。その後の懇親会ではボリスラフ・コストフ駐日ブルガリア大使が3つの周年に言及し挨拶を述べ、その後、お祝いの雰囲気のなか、ブルガリア民族音楽のコンサートが開かれた。対文協から渡邉隆司事務局長(日本ブルガリア協会理事)が出席した。
 ※3つの周年:2019年は日本とブルガリアの交流開始110年、外交関係樹立80年、外交関係再開60年の3つの記念の年にあたる。

[新刊紹介]

『ロシア・ナショナリズムの深層 ドストエフスキーの視線から』 
                        植田 樹著  彩流社刊   定価 2,800円+税

 日ロ平和条約交渉が大詰めの段階にきた現ロシアを知るためにはうってつけの本である。ソ連崩壊直後、混迷のロシアで再評価され見直されたドストエフスキーの時事評論『作家の日記』を主題に置き、その伏線となるロシア人が持つ強烈なナショナリズムの意識の形成を帝政から現代へ歴史的にたどる。1991年12月ソ連崩壊後ナショナリズムが爆発、プーチン登場からクリミア併合に至る現代史もよくまとめられ、後半の『作家の日記』は主要部分に注釈を加え克明に翻訳した。『貧しき人々』や『罪と罰』を遺した19世紀末の文豪は西洋文明と競い合うロシア人の複雑な精神構造を見事に描いている。筆者はNHK出身。

[特 集]

第163回研究会

「現在のロシアと日ロ関係の現状と展望」

   在日ロシア連邦大使館 参事官(二国間関係・政務部)、経済学博士 サープリン=シラノヴィーツキー・ユーリ

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇トランプ・プーチンロ米首脳電話会談
 -なぜトランプはプーチンに電話したのか-  <Kommersant ’19.5.6>

◇ウクライナ新大統領のロシア批判外交 <Vedomosti ‘19.1.22>

◇プーチン大統領を鼓舞した金正恩訪ロ <Kommersant ’19.4.26>