302号(2014・6・30)

[対文協だより]

* 第127回研究会開く

 対文協第127回研究会は6月24日午後6時から、霞が関ビル・東海大学校友会館でロシア連邦大使館のコンスタンチン・ヴィノグラドフ連邦交流庁駐日代表部長を講師に招き「ロシアの過去・現在・未来」と題して講演がおこなわれた。ヴィノグラドフ部長は専門の歴史学者としての立場から、ロシアの民族性、プーチン大統領下の国内情勢、さらに民間交流における日ロ関係の展望など多岐にわたる見解を披露、参加者の興味を誘った。

* 2014年日ロ文化フェスティバル開幕

 2006年以来9年目を迎えた「日ロ文化フェスティバル2014」は6月3日東京池袋の東京芸術劇場コンサートホールにおける「モスクワ・マラジョージヌイ室内オーケストラ」の公演を皮切りに開幕した。
 これに先立って6月2日午後6時から日比谷の帝国ホテルでロシア側組織委員会委員長のナルイシキン下院議長を迎えてオープニングレセプションが賑やかに行われ、プーチン大統領のメッセージと合わせナルイシキン委員長があいさつ、日本側からは世耕弘成内閣官房副長官が安倍総理のメッセージを披露、フェスティバルの成功を記念して乾杯を行った。なお同日日本側組織委員会の事務局長をつとめる長塚英雄氏にソ連邦民族友好勲章が贈られナルイシキン議長から伝達された。

* 宮脇磊介理事を偲ぶ会

 対文協理事で初代内閣報道官を務めた宮脇磊介さんを偲ぶ会が6月5日午前11時から千代田区のグランドアーク半蔵門で行われた。対文協からは星野力男副会長、尾郷良幸専務理事、平野裕常務理事、藤井弘顧問らが参列献花して冥福を祈った。

[新刊紹介]

『ロシア 利権闘争の闇』-迷走するプーチン政権 江頭 寛著(草思社刊 定価2300円+税)

 ウクライナ危機もロシアの膨大な石油、天然ガス等のエネルギー源が起因といわれている。プーチン大統領は2000年の就任以来、自身の取り巻きグループを政府や国営企業の要職に送り込み、石油や天然ガスなどの重要エネルギー源の確保に執念を燃やしている。
 30年余にわたりソ連・ロシアの深部をジャーナリストとして観察してきた著者が、壮絶なロシアのエネルギー利権闘争の実態を明かす、一読に値する書である。

[特 集]

ウクライナ南部「自主武装共和国」2題
(1)ロシア人若者とウクライナ戦線へ
                      <コメルサント紙 6月25日>
(2)ドネツク州の共和国軍最前線ルポ
                      <ブラースチ誌 6月2日号>

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇ ロシア軍のウクライナ出兵承認を撤回 <コメルサント紙 6月25日>

◇ 米大統領、ロシアに信頼回復の条件明示 <コメルサント紙 6月4日>

◇ ルガンスク州でロシア取材班2人死亡 <コメルサント紙 6月18日>

◇ トルトネフ副首相(極東担当)の権限拡大 <コメルサント紙 6月6日>

◇ とにかく「クリミア」開発には金が要る <コメルサント紙 6月6日>