285号(2013・1・31)
[明けましておめでとうございます]
年頭にあたって 会 長 松 前 達 郎
今年は日本対外文化協会が創立されてから47年目になります。1966年発足以来、学術文化交流を通じて日本と諸外国との相互理解の促進を計ってまいりました。そして平和の世界の実現に向けての活動を根幹として続けてきたわけでございます。このことは皆さんも十分ご理解されていると思います。この対文協のこれまでの活動に大変なご賛同をいただきながら、ご支援、ご協力をいただておりますことに心から厚くお礼申しあげたいと思います。有り難うございます。
最近の国際社会の動きを見てみますと、細かい面は別として、大きな波が押し寄せているような感じを私はもっております。世界は歴史の流れと共に、物質的文明と精神的文化が対峙するような、新たな時代をつくり出すようであります。とりわけ原理主義というものが台頭してきた時代になってまいりました。
こういう時代に物質的な文明、精神的な文明、この二つの文明をどう融和させるということが、創立者の松前重義の昔からの主張だったわけです。そういうことで平和の環境をかもし出す、そのためには民族や国民相互の価値観の尊重が必要であり、そういう理解が必要であると思います。そのための手法として一体なにが効果的であるか、これが誰もが模索するのが当然だろうと思っております。
われわれが出来ることはこの複雑化した現代において、派手に目立った行動ではなくて、地味な民間外交として時宜をえた「草の根」の活動を展開すること、そしてそれがやがては、国民間の友好親善・交流の促進の定着をもたらすことに続いていくものと思っています。私共はこういう信念を持ちながら今日まで活動を続けてまいりました。こんごも続けて行きたいと思っております。
日本対外文化協会はこれからも戦争のない、平和の構築という理念を旗印に進んで行く事に変わりはありません。この新たな年を迎え、年の初めに当たり申しあげ、どうか皆さんにおかれましても、ご支援あるいはご叱正を賜りたいと思っております。
年頭にあたりまして、皆さんのご健勝そしてご活躍を心から祈念し、私のあいさつに代えさせていただきます。
[対文協だより]
*2013 新年賀詞交歓会開く
対文協恒例の2013年、新年賀詞交歓会が正月30日午後6時から霞が関ビルの東海大学校友会館で開かれ、会員をはじめ友好団体、メディアおよびロシアほか16カ国の在京大使館員、来賓ら約150名が出席、2時間にわたって交流・歓談の和が展開された。 会は冒頭、松前達郎会長が新年のあいさつ(別項)のあと、来賓のヴァイヴァルス・ラトビア大使に次いで、ヴァシレフ・ブルガリア大使の発声による乾杯で新年の会が始まった。会場ではモスクワ大学の留学生や日露学生会議のメンバーによる和やかな交流風景もみられた。
*ラトビア共和国大使講演会
新年初の第115回研究会は「大使に聞くシリーズ」として駐日ラトビア共和国のペーテリス・ヴァイヴァルス特命全権大使を迎えて講演を行った。ヴァイヴァルス大使は2006年大使館創設以来の初代大使で、「ラトビア大使の目から見た日本」と題し、7年間にわたる滞在経験に基づいて一部映像を交え、国内情勢や日本との外交関係の現状などついて1時間半にわたって講演、参加者の関心を呼んだ。
*新任ブルガリア大使歓迎会
トドロフ大使の後任としてこのほど着任したブルガリア共和国の駐日特命全権大使のゲオルギ・ヴァシレフ氏を迎えて、日本ブルガリア協会(松前達郎会長)ほか関係団体による「新大使歓迎会」が1月21日午後6時から、渋谷区表参道のブルガリアレストラン『ダリエ』で開かれ、会員関係者をはじめ歴代の駐ブルガリア大使ら多数が出席、杯を交えて歓談、ヴァシレフ大使の今後の活躍を期待して、日本式で一本締めを行い、10時すぎ散会した。対文協からは渡邉隆司事務局長、藤井弘顧問が出席した。
[特 集]
◇2012年、政界大異動と変動の裏表
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ マグニツキー法をめぐり米ロが応酬 (コメルサント紙 12月15日号)
◇ ロシア武器輸出額続伸、2012は150億ドル (コメルサント紙 12月18日号)
◇ 国営企業に続々官僚役員が復活 (コメルサント紙 12月4日)
◇ 極東APEC会議設営の最高責任者解任 (コメルサント紙 12月17日)
◇ モスクワ歴史文化建築100件以上横領 (コメルサント紙 12月26日)
◇ ロシア大学の学力レベル・ランキング (コメルサント紙 12月26日)
◇ ロシアの何に誇りを感じるか (論拠と事実 No.48)
[資 料]
ロ印首脳会談で大型軍事協力契約の合意 <コメルサント紙 12月25日号>
離れ行くデリー <ブラースチ誌 12月24日号>