281号(2012・9・28)
[対文協だより]
*第112回研究会開く
対文協定例の第112回研究会は「ガスプロムからみたロシアの政治経済分析」をテーマに9月5日午後6時から、霞が関ビル・東海大学校友会館で開かれた。講師はジャーナリスト出身で、高知大学大学院の塩原俊彦准教授で、ロシアの大企業である「ガスプロム」を通して、エネルギー政策を中心としたロシアの政治・経済の実態について、多種のデータに基づいて興味ある実情を披露、出席者の関心を呼んだ。(本号・特集参照)
*渡邉事務局長、ラトビア大使館訪問
渡邉隆司事務局長と工藤久栄職員は、ラトビア訪問に先立って9月25日、渋谷区神山町の駐日ラトビア共和国大使館を訪問、ダナ・ルダーカ二等書記官と面会した。渡邉事務局長は今回のラトビア国訪問の目的と合わせ対文協の活動内容を説明、今後の交流について意見を交わした。なお恒例の対文協研究会での大使の講演を依頼し協力を求めた。
*子どものためのバイリンガル・セミナー開く
9月23日創価大学を会場にして、日本ロシア語教育研究会主催による「子どものバイリンガル・ロシア語と日本語 -課題 と 展望-」と題するサマーセミナーが開かれた。聴講者は日本在住のロシア語を話す子供たちの両親で、子供たちが日本語ロシア語のバイリンガルになるための各種情報やアドバイスを受けた。対文協から橘克子職員が参加し、子供のためのロシア語検定試験の存在と検定試験の教材「合格へのステップ」シリーズを紹介した。
[《訃》 河上 民雄・顧問死去]
対文協顧問で東海大学名誉教授の河上民雄氏が9月22日間質性肺炎のため死去されました。87歳。氏は元日本社会党委員長の河上丈太郎氏の政策秘書をつとめた後、1967年初当選、以後7期20年衆議院議員をつとめ、その間社会党国際局長として外交政策担当、同時に日本対外文化協会の理事、常務理事として対文協の運営、活動に多大な貢献をいただきました。1990年政界引退後も引き続き顧問として、今日までご指導をいただきました。
25日、26日中央区の日本基督教団・銀座教会で告別前夜祭、葬儀が行われ、松前達郎会長、石原萠記副会長ら役員多数が参列、葬儀では松前会長がお別れの言葉を述べ冥福を祈りました。
[新刊紹介]
『ロシア極東ハンドブック』
堀内賢志、齋藤大輔、濱野 剛 編著(東洋書店刊、定価3360円)
3期目のプーチン・ロシア大統領は、東アジアと太平洋地域を重視する政策を打ち出しています。隣国日本にとって広大なロシアの窓口は「ロシア極東地域」です。懸案の北方領土もこの地域に含まれます。太平洋情勢を考える上で、「極東とは ?」今改めて基礎的な知識をロシアと共有する必要が求められています。APECを機会に今大きく変わり行く極東地域がまるごとわかる好書。
[特 集]
◇ 「ガスプロムからみたロシアの政治経済分析」」
高知大学大学院 准教授 塩原 俊彦
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ ウラジオAPECサミットで「東方転回」 (コメルサント紙 9月10日)
◇ プーチン支持率下降ぎみ:世論調査から (コメルサント紙 8月24日)
◇ 中央アジアで米ロの勢力圏争い激化 (コメルサント紙 8月23日)
◇ ペテルブルク・ガスプロム塔建築を許可 (コメルサント紙 8月21日)
◇ ネムツォフ新刊暴露本「プーチン報告」 (コメルサント紙 8月27日)
◇ 1812年祖国戦争の断片 (論拠と事実 No.35)