254号(2010・6・30)

[対文協だより]

※ 94回研究会開く

 第94回対文協研究会は、ロシア・イタル・タス通信のワシーリ・ゴロヴニン東京支局長を講師に迎え、6月9日午後6時から霞が関ビル・東海大学校友会館で開いた。在京特派員として20年にわたり「日本情報」を発信しているゴロヴニン支局長は「在日特派員から見たロシアの内政・外交」と題し、メドベージェフ、プーチンの双頭体制による内政問題、テロ対策の温度差や日ロ外交の行方について約1時間講演、とくに北方領土問題について、参加者の質問に答え、率直な見解を述べ関心を呼んだ。

※ ロシア語検定試験セミナー

 サンクトペテルブルク大学語学検定試験センターが主催する専門家のためのロシア語検定試験官研修セミナーに、ロシア語検定試験実行委員会の山下万里子東海大学名誉教授と橘克子対文協職員が参加した。

[新刊紹介]

◇ 『現代ロシアの深層』-揺れ動く政治・経済・外交-
           小田 健著(日本経済新聞出版社刊 586ページ・本体6000円)

 ロ シアは隣国であるにもかかわらず、対米欧関係に比べ関心が相対的に低く、北方領土問題に異常に偏っている。しかも、ゴルバチョフからエリツィン時代、ソ連からロシアへと歴史的な動乱期にあった。しかし、豪腕の指導者プーチン体制下で政治は安定、BRICsの一角を占め、2008年の金融危機も克服して再成長の道を着実に歩み始めた。
 本書はプーチン・メドべージェフ双頭体制へ、ユーラシアの大国として独自路線を行く巨大な隣国ロシアの実像と動向を最新データによって多角的に解説した好著。近年激しく変化するロシアと取り組んできた専門記者による綿密なフォローと基礎的資料の記録価値は極めて高く、現代ロシアの政治・経済・社会に関心を持つ人の必携の書である。

[特 集]

◇ 「在日特派員から見たロシアの内政・外交」
           イタル・タス通信東京支局長 ワシーリ・ゴロヴニン

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇ 「赤の広場」の式典に21カ国首脳参加 (コメルサント紙 5月11日)

◇ ユーコス裁判でカシヤノフ元首相が証言 (コメルサント紙 5月25日)

◇ ソマリア沖で海賊vs.海兵隊の大活劇 (ブラースチ誌 5月17日)

◇ 北カフカース人権擁護家が大統領に報告 (コメルサント紙 5月20日)

◇ モスクワのアパート契約件数が急上昇 (コメルサント紙 5月5日)