242号(2009・6・30)

[対文協だより]

※ 第42回定時総会開く 
 
  日本対外文化協会の2009年度・第42回定時総会は6月11日午後2時から霞が関ビル・東海大学校友会館で、松前達郎会長ら役員、会員41名(委任48)が出席、理事会と合わせ開催した。会議に先立ち松前会長が、「2008年度は世界的金融危機という経済情勢の悪い中、会員各位のご理解とご協力によりほぼ予定どおりの事業を展開することができました。近年は伝統的といいますか、対ロシアとの関係における各分野の交流が、対文協の大きな仕事となっております。お蔭様で継続して実施している日ロ学術会議や月例の研究会は高い評価をいただいております。現在の若い人のロシアあるいは東欧諸国に対するイメージは、古い時代のイメージとは全く異なっております。そういう意味で対文協はロシア語検定試験を行うなど、若い人たちによる相互理解の促進にお役に立てればと願い、今後とも創立の理念であります平和活動を目的とした友好関係を深めていきたいと考えております。」とあいさつした。

  議事では2008年度事業・財政・監査の報告事項を一括承認の後、2009年度の事業計画、財政計画並びに役員改選案について審議、全会一致で承認された。

  役員改選では会長、副会長、監事の再任および新理事選出と理事44名が再任された。

  ◇新選出役員=[専務理事]山田清志(常務理事・東海大学国際戦略本部長)[常務理事]鶴田友晴(㈱電通執行役員)、山下泰裕(東海大学体育学部長)[理事]内田裕久氏(東海大学理事)、遠藤隆之(㈱ジェーシーシー代表取締役社長)、松下幹夫(東海教育産業㈱代表取締役社長)、宮崎英隆(東海大学教授)、山下万里子(東海大学教授)


  ※ 第86回研究会開く 
 
  月例の第86回対文協研究会は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)審議役の本村真澄主席研究員を迎え、5月27日午後6時から霞が関ビル・東海大学校友会館で開催。「ロシア、北東アジアのエネルギー協力」について講演、サハリン1、2の稼動、運営状況、さらには日本へのメリット、デメリットなどについて詳細なデータにより解説、エネルギー関係の日ロ間の現況と今後の展望を語った。(別項・特集参照)


※ ロシア文化フェスティバル開会式  

  「ロシア文化フェスティバル2009」のオープニング・セレモニーがロシア側組織委員長のナルイシキン大統領府長官らを迎えて、6月22日午後2時から千代田区・帝国ホテルで開かれた。開会式には日本側組織委員長の鳩山由紀夫氏ら関係者や来賓多数が出席した。

  会はナルイシキン、鳩山両国組織委員長があいさつ、シュビトコイ大統領国際交流担当顧問がメドベージェフ大統領のメッセージと合わせあいさつした。鳩山委員長は「国民の相互理解をさらに高めるため、来年度以降もフェスティバルが継続されることを希望する」と述べ、大きな拍手で賛同された。

  なお、開会式の席上、女優の栗原小巻氏と国際合気道連盟会長の植芝守央氏にナルイシキン長官から、大統領令による「友好勲章」が贈られた。

[新刊紹介]

◇ 『揺れる大国 プーチンのロシア』NHK取材班著(NHK出版刊 284ページ・本体1300円)
 
  今春、NHKスペシャルのシリーズとして放映された「揺れる大国プーチンのロシア」の内容を取材プロセスも含め活字化した記録である。*強まる国家資本主義、*膨張するロシア正教、*グロジアの苦悩、*復活する“軍事大国”の4章からなり、資源価格の高騰による経済の活況、周辺のCIS諸国との確執、軍事・外交面での強硬姿勢の背景など、ロシア認識の難しさを解く好書。1917年から現在までの関連年表を付記。

[特 集]

◇ 「「ロシア、北東アジアのエネルギー協力」
   石油天然ガス・金属鉱物資源機構 審議役・主席研究員 本村 真澄

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇ 極東連邦管区大統領全権代表の更迭 (コメルサント紙 5月4日)

◇ ロシアの生産高、1994年以来の低水準 (コメルサント紙 5月19日)

◇ 極東の防衛産業労働者が抗議集会 (コメルサント紙 5月14日)

◇ ネムツォフ氏、他の市長選にも出馬へ (コメルサント紙 5月20日)

◇ ロシアは飲み過ぎている (論拠と事実 №22)

[資 料]

 1.司法権も政権の垂直権力統制化に
 2.ゾーリキン憲法裁長官の最後の言葉