219号(2007・7・20)

[対文協だより]

※ 松前重義杯第10回モスクワ国際学生野球大会終了

  第10回モスクワ国際学生野球記念大会(主管・東海大学/モスクワ大学、協力・日本対外文化協会)が6月24日から4日間、モスクワ大学の「松前重義記念スタジアム」で5カ国8チームが参加して開かれた。初日はモスクワ大学バレエサークルによる華やかなアトラクションに続いて開会式が行われた。

  開会式には在モスクワの齊藤泰雄大使をはじめ米ドジャース元オーナーのピーター・オマリー氏、日本から長船騏朗・日本学生野球協会理事、戸頃啓・明治神宮野球場長らのほか参加国の大使館員ら来賓が出席、松前達郎・東海大学総長(対文協会長)、ビクトル・サドヴニチイ・モスクワ大学総長のあいさつがあり、齋藤大使、尾郷良幸・対文協専務理事、サドヴニチイ総長の投・捕・打による始球式で開幕した。

  大会は好天に恵まれ日程どおり進行、27日東海大学と国際武道大学の決勝戦が行われ、9-2で東海大学が6回目の優勝を飾った。3位は東義大学。

  [参加チーム]モスクワ大学、ウクライナ選抜、中国・天津体育大学、韓国・東義大学、慶熈大学、日本・東海大学、国際武道大学、首都大学選抜。


※ ロシア文化フェスティバル2007開幕 

  昨年成功裏に終わった「ロシア文化フェスティバル2006」に続いて、日ロ両組織委員会の合意による「ロシア文化フェスティバル2007」が7月から、音楽、美術、サーカス、映画など75からなる多彩なプログラムからなる文化行事が年内いっぱい全国各地で展開されることになった。同フェスティバルは03年の「日ロ行動計画」の枠組みに基づくもので2010年まで継続して行われる予定。

  議2日は午後6時30分から渋谷区C.C. Lemonホールで、ナルイシキン副首相(ロシア側組織委員長)を団長とするロシア政府代表団を迎え、開幕式が行われた。式はモスクワ・アカデミー国立室内合唱団によるオープニング・コンサートに続いて行われ、ナルイシキン副首相に次いで日本側組織委員長の森喜朗元首相がそれぞれあいさつ、ベールィ・ロシア大使の音頭でフェスティバルの成功を祈念して乾杯を行った。


※ 第5回日ロ学術・報道関係者会議日程決まる 

  今年5回目を迎える「日ロ学術・報道関係者会議」(日本対外文化協会・モスクワ国立国際関係大学・ロシアジャーナリスト同盟)は、9月20日、モスクワ国立国際関係大学(MIGMO)で開催する。今年の総合テーマは「ユーラシアの新秩序を模索する」で、日本側は基調報告として、「ユーラシアの新潮流」「北東アジアの地域協力」「ユーラシア国際関係の新段階」などを予定している。

  今年は国際交流基金の助成も復活、日本からは小田健・日本経済新聞論説委員を団長に日本側座長をつとめる下斗米伸夫・法政大学教授、宮脇磊介・対文協常務理事(元内閣広報官)ほか専門家、ジャーナリストからなる代表団のほか、現地参加者を含め約20名が参加する。代表団は9月16日日本を出発、1週間モスクワに滞在、会議に出席のほか政府、議会関係の要人との会見のほか、主要企業などを視察する予定。

[新刊]

※ 『ロシアン・ダイアリー』―暗殺された女性記者の取材手帳 アンナ・ポリトコフスカヤ著、鍛原多恵子訳(NHK出版刊 509ページ・本体2400円)

  本本書は昨年秋、凶弾に倒れたアンナ・ポリトコフスカヤが日記形式で綴った取材ノートだ。アンナが命をかけて足を運び、耳を傾けたチェチェンやロシア各地の普通の人々の声が伝わってくる。そして、これらの声の広まりを恐れ、報道の自由を奪っていくプーチン政権と、それを許す国民の無関心さへの痛烈な批判が聞こえてくる。強権化するプーチン政権に凛として立ち向かう孤高の姿に、かけがえのない記者が失われたことを痛感する。

[特 集]

◇ 「ロシアが欧州通常戦力条約の履行停止」
    ブラースチ誌 6月18日号

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇ 「プーチン後継者候補はもう一人」 (コメルサント紙 6月16日 )

◇ モスクワ市、労働移民の流入を制限 (コメルサント紙 6月7日)

◇ ルシコフ・モスクワ市長の任期延長へ (コメルサント紙 6月25日)

◇ 「次期下院の構成は4党に」と世論調査 (コメルサント紙 6月1日)

◇ 大統領令により「ロシア世界」基金創設 (モスコウ・ニュース No.25)

◇ 上海協力機構は反NATO連合となるのか? (モスコウ・ニュース紙 No.25)

◇ ロシアとの統合を望むキルギス野党 (モスコウ・ニュース No.25)

◇ なぜ商標変更するのか? (論拠と事実No.25)

◇ 新興財閥と一般庶民の生活比較 (論拠と事実No.25)

[焦 点]

※ 6カ国協議で問われる日本の「覚悟」
    対文協常務理事  加藤 順一