217号(2007・5・20)
[対文協だより]
※ 第71回「研究会」開く
対文協恒例の第71回「研究会」が4月25日(水)午後3時から千代田区・霞が関ビルの東海大学校友会館で開かれた。同研究会には23日に信任状の奉呈を終え、正式に駐日ロシア連邦特命全権大使となったミハイル・M・ベールィ閣下=写真=が、講師として出席した。
Mr.Panov
同大使の講演は来日以来始めてのもので、マスメディアの注目を集めた。新聞各社を始めテレビ局も取材のため出席、約80名の参加者となり盛会となった。同大使は日ロ関係が、極めて良好な状態にあることを強調した。特に経済関係では日本の投資意欲が高いことを評価し、そうした中でロシア経済も順調に推移していることを細かな数字をあげて説明した。日ロ関係では平和条約の早期締結をのぞみ、直接的には発言は無かったが北方領土問題が日ロ双方で納得できる形での解決が望ましいとの意向を示した。質疑でも北方領土問題が質問で出されたが「日ロ両国民が柔軟性をもった対応をすべきだ」との発言にとどまった。
※ 対文協07年度定時総会開く
日本対外文化協会の2007年度・第40回定時総会は5月21日午後4時から千代田区霞が関ビル・東海大学校友会館で松前達郎会長ら役員、会員40名(委任40名)が出席して開かれた。
議事に先立ち松前会長があいさつ、「日本対外文化協会は1996年に創立されて、今年度は41年目の新しい一歩を踏み出しました。昨年度の1年間はイラク戦争が続き、北東アジアでは北朝鮮の核実験が行われるなど不安定な中で国際交流は難しい事態でした。平和を守ることがいかに難しいかということを実感しました。対文協はこうした中で工夫をこらした活動をいたしてまいりました。グローバル化に応じて、対文協も視野を広げる必要に迫られております。ロシアとの交流も高い評価をいただきました。昨年10月にはモスクワで日ロ学術・報道関係者会議を開き、北東アジアの発展と安定をテーマに有意義な討論が出来ました。研究会も恒例化し、ロシア語検定試験も実施いたしました。今年度は6月にモスクワで第10回松前重義記念国際学生野球大会をひらきます。また、7月にはブルガリアから国立ソフィア少年少女合唱団を招きます。こうした事業を継続して行う一方創意、工夫をこらし各種事業を充実していきたいと思います。対文協のような民間交流団体は皆様のご支援に頼らなければなりません。そのご支援にお応えする志を掲げて活動していきたいと思います」と述べた。
総会は石原萠記副会長が議長を努めて、理事会と同時進行の形で行われた。加藤順一事務局長が2006年度の事業報告を行い、収支決算を小池事務局員が報告、監査報告等について審議し、一括承認された。次いで日露国際シンポジウム、日ロ学術・報道関係者会議、ロシア語検定試験実施などを中心にした2007年度の事業計画と予算案を審議し、全会一致で承認した。また2007年度は役員改選期にあたり、相賀徹夫理事の退任、新たに喜多義憲氏(北海道新聞社取締役事業局長)、旦祐介氏(東海大学ヨーロッパ学術センター所長)、宮崎康文氏(東海大学教学部長)ら3名の役職変更による理事就任を承認した。
会長、理事長、副会長、常務理事、前記3名以外の理事については再任を全会一致で承認した。なお、石原議長から事務局に対して「なお一層の努力をし、期待に応えるように」という発言をいただき、午後6時に閉会した。
[特 集]
◇ 「日ロ関係の今後の進展と展望」
第71回対文協「研究会」講演要旨
ロシア連邦特命全権大使 ミハイル・M・ベールィ
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ ロシア読書年に国立図書館長に聞く (モスコウ・ニュースNo.12 )
◇ 中央アジア2国は同盟関係に向かうのか? (モスコウ・ニュース No.17)
◇ 連邦会議で大学法改正案が通過 (コメルサント・ブラスチ誌 4月23日)
◇ ロシア語を母国語とするのは1億6380万人 (論拠と事実No.16)
◇ 給与全体の3分の1が10%の高給者に (論拠と事実No.16)
[焦 点]
※ 集団的自衛権と有識者懇談会
対文協常務理事 加藤 順一