213号(2007・1・20)
[謹賀新年]
明けまして おめでとうございます
本年も対文協ホームページとあわせてご愛読をお願いいたします。
[年頭挨拶]
新年を迎えて-平和な世界への希望を持とう
日本対外文化協会会長 松前 達郎
新しい年を迎えて皆様に心よりお祝いを申し上げますとともに、日本対外文化協会への平素のご支援に対し厚くお礼を申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
日本対外文化協会は40年を越える長い歴史の中で、ある時は冷戦下で政治問題にもかかわるなど、さまざまな試練をへて今日に至っております。故松前重義博士の創立の理念は文化交流を通じて人と人を結びつけ、本当の意味での「世界平和」を作り上げることでした。
この理念のもと、まず取り掛かったのは冷戦下でのソ連や東欧諸国との交流でした。政治的な対立が続く中で、日本対外文化協会は完全な民間レベルでの文化交流を試みました。ソ連はもとより、ブルガリアをはじめとした当時の東欧諸国との文化交流に、大きな成功を収めてきました。その伝統はソ連邦崩壊後のロシアとの友好関係など今日でも続いております。昨年はロシア連邦より友好勲章を戴きましたが、私どもの活動が高く評価されたものであり、大変誇りとするところであります。
省みればソ連邦崩壊時は、日本対外文化協会の役割は果たし終えたとの意見もありました。しかし、世界は今も決して「平和」とは言えません。国際的なテロの危機を至る所で見ることができます。宗教、民族的対立、エネルギーをめぐる国家間の対立など、平和への危機は益々大きくなってきていると言えます。平和は「武力」によってもたらすことはできません。文化交流を通じて互いの文化を理解し尊重することで、はじめて相互理解が生まれ、平和な世界が生まれるのです。
日本対外文化協会は世界的な「恒久平和」をどのようにして作り上げていくのかを日々考え努力しております。争いやテロのない、人々が平和の中で地球市民として互いに心を繋ぎ、人と社会と自然が共に生きる新しい文明社会の構築こそ、創立者松前重義博士が日本対外文化協会の活動に寄せた大きな夢であったと思います。その夢を実現するために、今年もわれわれは更なる努力を続けていきたいと思います。
今年はブルガリアからソフィア少年少女合唱団の招請や、モスクワでの国際学生野球大会などさまざまな行事も予定されております。こうしたイベントでは必ず新しい出会いが生まれます。国内では「研究会」や、シンポジウムなどを通じて平和への強い意思を皆様にお伝えできればと思っております。毎年のことではありますが志を高く掲げて活動することをお誓いし、皆様の更なるご支援ご協力をお願いいたしまして、新年のご挨拶に代えさせていただきます
[訃報]
※ 嘉門 安雄・顧問死去
対文協顧問の嘉門安雄氏(美術評論家・東京都現代美術館名誉館長)は1月5日、肺炎のため死去されました。93歳。同氏は対文協草創期から、故土方定一氏と共に顧問に就任、ロシア(旧ソ連)や東ヨーロッパ諸国の絵画をはじめとする芸術作品の日本への紹介につとめ、多年にわたり対文協の文化交流事業に貢献されました。告別式は同12日、麹町の聖イグナチオ協会で行われました。ご冥福をお祈りいたします。
[特 集]
「多様化し始めた北方領土返還論議」
第69回研究会・「第4回日ロ学術・報道関係者会議報告要旨」
石郷岡 建・日本大学総合科学研究所教授
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ ラブロフ外相「ロシアは強い国家になった」 (コメルサント紙 12月21日)
◇ ゾーリキン憲法裁長官、活路を見出す (コメルサント紙 12月27日)
◇ ロシア科学アカデミーは自主独立を失う (コメルサント紙 12月6日)
◇ モスクワに7万人のサンタと白雪姫が集合 (コメルサント紙 12月18日)
◇ 全国テレビ2局をプーチンの親友が買収 (コメルサント紙 12月19日)
◇ サッカーのナショナル・チーム本拠地建設 (コメルサント紙 12月13日
◇ ニヤゾフ大統領急死の波紋 (モスコウ・ニュース 50号)
◇ 息子に期待をかけるヨーロッパ (モスコウ・ニュース 50号)
◇ 兵士の家族に補償金 (論拠と事実No.50)
◇ 2007年の契約雇用軍人は12万5千人 (論拠と事実No.51)
[焦 点]
※ 映画「硫黄島からの手紙」の悲劇
対文協常務理事 加藤 順一