212号(2006・12・20)
[対文協だより]
※ 第69回対文協「研究会」開く
06年最後の第69回対文協研究会が12月11日、霞が関ビルの東海大学校友会館で45名が参加して開かれ、去る10月モスクワで行われた「第4回日ロ学術・報道関係者会議」(対文協ほか主催)の報告を中心に日ロ関係の展望を検証した。講師に同会議の日本側座長をつとめた下斗米伸夫・法政大学法学部教授と石郷岡建・日本大学総合科学研究所教授を迎え、両氏の報告を元に熱心な討論が展開された。
下斗米教授は、同19日に行われた日ソ国交回復50周年記念の「日ロフォーラム」にもふれ、日ロ平和条約が締結されていない状態は、日ソ、日ロ間の戦争処理が未処理であることを意味し、それを克服する政治的な判断を日ロ指導部に期待する、として戦後の日ロ交渉史を概観し、今までの硬直化した議論から一歩踏み出した様々な議論が日本側から展開されたことを紹介した。
石郷岡教授は、「北東アジアの発展と安定」をテーマとした今回の会議は、いつになく活発な討論が展開されたと感想を述べ、平和条約締結に向けた諸提言や、朝鮮半島の今後についてのロシア側参加者間の意見の相違など、これまでの会議では聞かれなかった興味深い議論が展開されたことを報告した。両氏の報告の後、研究会参加者との間に熱心な質疑が交わされた。
※ 日本モンゴル親善協会結成40周年記念レセプション
NPO法人「日本モンゴル親善協会」(柳澤徳次理事長)は今年結成40年を迎え、記念レセプションが12月4日午後5時半から、千代田区麹町の「スクワール麹町」で内外の関係者約300人が参加して開かれた。モンゴルからは政府代表として元首相のソドノム・モンゴル日本友好促進協会会長が来日、ジグジッド駐日大使と共にそれぞれあいさつ、感謝の意を表した。また来賓として外務省中国課長や国会の友好議連会長らがあいさつを述べ、九州場所で引退したモンゴル力士第1号の旭鷲山らもかけつけ、それぞれに40年の思い出が会場いっぱいに展開された。なお、対文協からは加藤順一専務理事事務局長、藤井弘専務理事ら役員が参加した。
[新刊]
※ 『プーチンのロシア』 R・ライン、S・タルボット、渡邊幸治共著/長縄忠=訳(日本経済新聞社刊 本体2,400円)
2000年ロシアにプーチン政権が生まれてから6年、石油価格の高騰と政治の安定を主たる要因とする経済の好調を背景に、強い自信を取り戻したプーチン政権だが、依然として多くの謎を抱えている。本書は06年7月にサンクトペテルブルクでのG8の開催を機に三極委員会がまとめた「ロシアの現状」である。ロシアの実態を知る数少ない概説書である
[特 集]
東シベリア・極東の石油開発と展望
ワレリー・ルサコフ氏(「ロスネフチ」戦略・海外プロジェクト局次長)
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ 選挙成立要件の投票率下限を撤廃 (コメルサント紙 11月25日)
◇ 連邦移民局、不法移民の取り締り強化へ (コメルサント紙 11月21日)
◇ モスクワでカディロフ首相が政敵を暗殺 (コメルサント紙 11月20日)
◇ 連邦中央とタタールスタンの新条約 (コメルサント紙 11月9日)
◇ 南オセチアで二人の大統領が出現 (コメルサント紙 11月14日)
◇ 何よりも仕事を 12.3国際身体障害者の日に寄せて (モスコウ・ニュース 46号)
◇ 闇経済に侵されるロシアの教育界 (モスコウ・ニュース 44号)
◇ アルコール市場考察 (論拠と事実No.48)
◇ アルコールは肉に結びつく (論拠と事実No.48)
[焦 点]
※ 6カ国協議の幻想にまどわされるな
対文協常務理事 加藤 順一