211号(2006・11・20)
[対文協だより]
※ 第7回日露国際シンポジウム開く
日本対外文化協会創立40周年記念、日本対外文化協会・毎日新聞社主催(協賛株式会社望星薬局、株式会社ナカヨ通信機)の第7回「日露国際シンポジウム」が11月9日(木)午後1時から霞が関ビル1階のプラザホールで開かれた。今回は最近世界的に焦点となっている「ロシアのエネルギー戦略を問う」をテーマに討論を行った。
ロシアからは国営石油会社「ロスネフチ」戦略・海外プロジェクト局次長・ワレリー・ルサコフ氏と、「ロスエネルギー紙」編集長・ミハイル・クルチーヒン氏を招請した。日本側からは石油天然ガス・金属鉱物資源機構主席研究員・本村真澄氏に参加していただき、約3時間にわたって熱心な討議を行った。毎日新聞社外信部編集委員・飯島一孝氏がコーディネーターとなり、それぞれが始めに「基調報告」を行った。焦点は東シベリアの資源開発に集まり、海外との共同開発についてはルサコフ氏は「ロシアは必ず契約を守る」と投資の安定性を強調した。クルチーヒン氏は最近問題となっているサハリン2プロジェクトについて、事業中止措置を懸念し「取り消しには政治的影響」としながらも将来については楽観的な見通しを語った。本村氏は総括コメントで「エネルギー安全保障とは分散化につきる」と供給源の分散化を進めるべきであるとの提言があった。聴衆はタイムリーな課題であっただけに定員いっぱいの約200名が参加した。会場からの質疑もあり国際色の強い中身のあるシンポジウムとなり成功を収めた。
※ 駐日ロシア連邦特命全権大使お別れパーティー
アレクサンドル・ロシュコフ駐日ロシア連邦大使は任期を終えて11月26日に帰国した。同大使の在日は2年8カ月。日ロ関係では残念ながら大きな進展はなかったが、日ロ行動計画に従って多方面で日ロ関係の改善に努めた。民間友好団体との交流にも力を入れた。そのお別れパーティーが16日ロシア大使館で開かれた。日本対外文化協会からは松前達郎会長(東海大学総長)が出席、藤井弘専務理事、加藤順一専務理事、橘克子職員が参加した。同大使は帰国後には外務省で北東アジア関係を担当する外務次官に就任する予定で、「日本との関係はまだ続く」と離任の挨拶をおこなった。なお、日本対外文化協会、日ロ協会、日ロ交流協会は離日の記念品として共同でデジカメを贈った。
[特 集]
第4回日ロ学術・報道関係者会議報告
宮崎英隆・東海大学教養学部国際学科教授
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ プーチン大統領「2008年後も政界に―」 (コメルサント紙 10月26、27日)
◇ 初のNPO(非営利団体)の活動禁止 (コメルサント紙 10月14日)
◇ 報道の自由度で国際的ランキング下がる (コメルサント紙 10月25日)
◇ 大統領発言に抗議して委員を辞任 (コメルサント紙 10月17日)
◇ ロシアはアメリカに次ぐ移民大国 (モスコウ・ニュース 40号)
◇ ロシアで価値を持つ液体とは? (論拠と事実No.44)
◇ アルコール漬けから救え (論拠と事実No.45)
[焦 点]
※ 日本の「国家像」を明確にする努力を
対文協常務理事 加藤 順一