201号(2006・1・20)
[謹賀新年]
明けまして おめでとうございます
本年もご愛読をお願いいたします。
[年頭挨拶]
平和への道筋を強固なものに
日本対外文化協会会長 松前 達郎
新年明けましておめでとうございます。新しい年がどのような1年になるかは私たちの平和への願いが強いだけに大きな希望が持てる気がいたします。日本対外文化協会はそうした一歩一歩の望みをつなぎながら本年40周年を迎えました。創立者の松前重義博士は「恒久平和」を願い、一番難しい冷戦に終止符を打つべくこの協会を立ち上げました。今から見れば夢のような話です。東西冷戦は人の流れを止め、文化の交流さえ政治に利用される事態でした。対文協はそうした困難な時代に日本から当時のソ連、またソ連の影響下にあった東欧諸国との間に人と人との交流の「場」を作り上げてきました。ビザひとつ取るにも大変な苦労が必要でした。真正面からではうまくいかない中で、あらゆる人脈を作りながら交流の機会を少しずつ増やしてきたのです。歴史はそうした努力がいかに必要であったかは今になって示してくれています。
世界は現在決して安定しているとは言えません。国際的なテロの恐怖が広く広がっています。いつ、どこで何が起きても不思議ではない不安定さが存在することを否定することができないのです。こうした現状だからこそ、私たちは初心に帰らなければという思いを一層強くします。では、一体何をしようとするのか。不透明な時代は、平和への願いを多様化、重層化して行かなければならないことを教えております。まず人と人との信頼性をどのように強めて行くのかです。何の利害もなく、欲得もなくシンプルな精神でお互いに話し合うことが友情を深め、信頼の輪を大きくしてゆくことになります。日本対外文化協会の活動はそうした奥の深いものとしたいと願っております。どうか、そうした運動にご協力ください。また、何でも結構です。信頼の輪を広げる可能性のあることならばどのような小さなことでもご協力いたします。平和への確かな道筋をつけるべく努力いたします。このニュースレターもその質を高めることによって皆様の信頼をより強いものにしたいと願っております。本年もどうかよろしくお願いいたします。
[対文協だより]
※ ロシア文化フェスティバル開く
日ロ国交回復50周年を記念した「ロシア文化フェスティバル2006 IN JAPAN」がロシア組識委員会のナルイシキン委員長(連邦政府官房長官)を団長とする代表団を迎えて、1月10日、渋谷区の東京オペラシティにおける「オープニング・ガラコンサート」によってスタートした。同フェスティバルは、先の日露首脳会談において合意されたもので、日本側は森喜朗元首相(日ロ友好議員連盟会長)を委員長に組識委員会が結成され、多彩なプログラムの実施に協力することになった。対文協からは各友好団体と共に松前達郎会長が組識委員に就任した。
開会式はマリンスキー歌劇場管弦楽団によるガラコンサートに引き続き、午後9時半から高円宮妃殿下も出席、同ホール2階フロアで行われ、日ロ両組識委員長のあいさつの後、山中燁子外務政務官が小泉首相のメッセージを代読、あいさつ、1年間にわたるフェスティバルの成功を祈念して乾杯を行った。
※ お知らせ 第64回「研究会」開催
恒例の対文協第64回研究会を2月23日(木)午後6時から東京・霞が関ビル33階東海大学校友会館「三保の間」で開きます。今回は昨年中国とロシアが合同して行われた軍事演習など、ロシアの軍事戦略・国家安全保障戦略をテーマとします。講師には、防衛庁防衛研究所の兵頭慎治氏を招きます。会員2000円、一般3000円、学生無料です。お時間をお繰り合わせの上ご出席ください。
[特 集]
対ロ批判強まる社会団体規制法
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ 憲法裁、大統領権限は無制限と判断 (コメルサント紙 12月22日)
◇ プリコフスキー氏が技術管理局長官に (コメルサント紙 12月6日)
◇ モスクワ議会選でも「統一ロシア」圧勝 (コメルサント紙 12月6日)
◇ ティモシェンコ前首相の刑事訴追取り消し (コメルサント紙 12月23日)
◇ ウズベキスタン、反ロ・ブロックを脱退 (コメルサント紙 12月30)
◇ 国の認定を求める神学大学 (モスコウ・ニュース 05年45号)
◇ 切り株しか残らなくなる (モスコウニュース 46号)
◇ 同じ国でも生活水準は様々 (論拠と事実 No.50)
◇ 免許没収でも無免許運転がある (論拠と事実 No.51)
[焦 点]
※ 元旦「社説」に見る多様化社会・国家
対文協常務理事 加藤 順一