183号(2004・8・20)
[対文協だより]
※ 第2回日ロ学術・報道関係者会議開催
日本対外文化協会主催の第2回日ロ学術・報道関係者会議が9月10日モスクワの国立国際関係大学で国際交流基金の助成により開かれる。テーマは「北東アジアの安定と繁栄」を主題にサブテーマとして「2期目のプーチン政権と朝鮮半島情勢」が討論の対象となる。日本側は座長の下斗米伸夫・法政大学教授・日本国際政治学会次長、のほか評論家の平野裕・元毎日新聞常務取締役主筆など16名の学者、ジャーナリストが参加する。ロシア側はトルクノフ・モスクワ国立国際関係大学学長、ボグダーノフ・ロシアジャーナリスト同盟会長など北東アジア問題の専門家多数が参加する。会議は双方が基調報告をそれぞれ行い、それに沿って多角的な討論が展開される予定。日本側は9月7日にモスクワに向けて出発、会議前に大統領府、下院、企業などを訪問して意見を交換する。
会議終了後、参加者は12日に帰国するが、小田健・日本経済新聞論説委員など8名は「ジャーナリスト・国際問題専門家視察団」を編成してモスクワからサンクトペテルブルクに移り、各地を視察し、行政関係者、ジャーナリスト、要人と会見して最近のロシア情勢について懇談する。
第2回の会議で、日ロ双方とも時宜を得たテーマの討論に積極的な意見が出されることが期待されている。
[新刊]
※ ◇ 『プーチンの帝国』江頭 寛著(草思社刊・本体1900円)
現代ロシアの政財界と社会の深層に鋭いメスを入れ、インサイド・ストーリーの新境地を開拓しつつある筆者のシリーズ第二弾。エリツィン末期のプリマコフ下ろしからプーチン政権へ、そしてユコス事件まで、登場人物の動きも迫力と躍動感に溢れ、一気に読める。第一弾、エリツィン再選とオリガルヒ台頭から金融危機までを扱った「ロシア闇の大国」(同・1999年刊)におとらず面白い。筆者は日経の元モスクワ特派員で、現在は国際部編集委員。今後も筆者独特のロシア底流物の続編を期待したい。
[特 集]
ロシア軍首脳の更迭と軍改革 (コメルサント紙 7月20日)
◎クワシニン参謀総長更迭の意味
◎イワノフ国防相の新しい右腕
・新参謀総長にロシア軍の現状を聞く
・新参謀総長ユリー・ニコラエヴィッチ・バルエフスキー大将の略歴
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ 大学ランク上位4位までが地方大学 (イズベスチア 7月10日)
◇ ジャーナリストの4割が、検閲を支持 (イズベスチヤ 7月28日)
◇ リベラリストはなぜプーチンが嫌いか。 (論拠と事実 No.28)
◇ モスクワ飲食店ガイド (論拠と事実 No.28)
[資料]
◇ 「南オセチア」とロシア・グルジア関係
・南オセチア紛争の歴史的経過
・サーカシヴィリ大統領の南オセチア発言
[焦 点]
※ 「国際テロをどのように防ぐか」
対文協常務理事 加藤 順一