179号(2004・4・15)
[対文協だより]
※ 第53回研究会開く
恒例の対文協研究会は53回を数え、3月25日午後6時半から下斗米伸夫・法政大学教授で日本国際政治学会理事長を講師に迎え、「ロシア大統領選挙後の政権」をテーマに開催した。下斗米氏は国際シンポに出席のためモスクワ、サンクトペテルブルクを訪れ前日に帰国したばかりで、選挙直後の現地リポートを交え、プーチン大統領再選の背景やその人脈、さらにフラトコフ新内閣による2期目のプーチン政権の行方、今後の日ロ関係の推移などについて約1時間講演、出席者との質疑や意見交換が行われ、熱気ある研究会となった。(別項特集参照)
なお当日は時宜にあったテーマと合せ、下斗米氏が近く行われる日露賢人会議のメンバーとあって、会場は一般参加者のほか同じくメンバーに推された高垣ロシア東欧貿易会会長をはじめ外務省OBやマスコミ関係者などで満席の盛況だった。
※ 日露オーラルヒストリー作業部会
日ロ関係を様々な人々の話を通じて歴史の検証まとめてきた「日露オーラルヒストリー委員会」(木村明生代表委員)は2冊目の資料集のまとめに入り、4月9日午後対文協事務局で打ち合わせ作業部会を行なった。(出席:木村晃三、斎藤哲、米重文樹各委員、長島七穂幹事)
なお、資料第1集に収録された記録のうち、公開の了承を得たエドガルス・カッタイ、片山醇之助、スドウ・ミハイル・マサオヴィチ、丹羽新一郎、早川徹の5氏分については近く「記録集・Ⅰ」として彩流社から出版されることが決まった。
[新刊]
※ ◇ 『白兎で知るロシア』─ゴルバチョフからプーチンまで 小林 和男著(かまくら春秋社刊・本体1300円)
都合3回、11年ソ連時代を通じてロシアに在勤した著者がジャーナリストとして、また一日本市民として接してきたロシア人各層に見る「平和と友好」に対する本音と建前を紹介──「神様は三つがお好き」というロシアの諺にはじまり、名前の呼び方で知る人間関係、ロシアは過激で振幅が大きいが、信頼を勝ち取れば過去は問わない面白さがある....など示唆に富んだ内容で、ロシアは何でも有りの国で、懐の深い国である。と結びで述べている。日ロ関係に携わる者にとって格好の書である。
[特 集]
「ロシア大統領選挙後の政権」
法政大学教授・日本国際政治学会理事長 下斗米伸夫氏
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ 焼失のマネージは地下階を含めて再建 (コメルサント紙 3月20日)
◇ 不法就労者は国外退去 (論拠と事実 No.10)
◇ ブッシュをロシア人はどうみているか (イズベスチヤ 3月20日)
[資料]
◇ 大統領府簡素化、副長官が補佐官に
《大 統 領 府》
[焦 点]
※ メディアと戦争
対文協常務理事 加藤 順一