176号(2004・1・15)
[新 年]
明けましてお目出とうございます
<本年も対文協ホームページと合わせてご愛読お願い致します>
[新年のご挨拶]
新年を迎えて ― 平和を築き上げる努力を
日本対外文化協会会長 松前 達郎 (東海大学総長)
皆様、明けましておめでとうございます。本年も日本対外文化協会の活動と、「ニュースレター」のご愛読をどうかよろしくお願い致します。対文協も新年を迎え新しい気持ちで、その設立の趣旨であります「恒久平和の確立」に向け民間の立場からできる限りの努力を続けて行きたいと思っております。
皆様もご存知のとおり世界はいま平和とは程遠い情勢が続いております。イラク戦争は未だに戦闘状況が続き、アフガニスタンでもテロが絶えない日々です。不思議なもので、私達の世界は人々の悲惨な状態が続いていくと、それが「日常」的な感覚になってしまいます。今、目の前にある生活が平穏であれば、それが「平和」であると思ってしまいます。日本の状況はまさにそうした「平和」の疑似体験のような風景に見えます。このような「日常」の中に突然、「イラクで外交官殺害される」といった「非日常」的な現実が突きつけられ、初めて「私達は本当に平和な状態の中に居るのだろうか」と思い返すのだろうと考えます。一体、平和とは何を言うのだろうか。人類の歴史を振り返ってみれば、「平和」は「幻想」なのかと思ってしまいます。それでもなお、私達は貧困、差別、宗教対立、民族対立などの現実を少しでも少なくし、暴力や力による人間支配を無くすことに全力を挙げなければならないのです。平和は決して「幻想」ではないという信念がいまこそ必要な時代です。
日本だけ見ても、新年早々に自衛隊のイラク派遣という「現実」が突きつけられています。戦後続いてきた平穏な「日常」が一瞬にして吹き飛んでしまいかねないのです。私達は国際的に広く貢献する日本でありたいと思っております。その一点をどのようにして守っていくのか、今年はその節目の一年になったのだと感じます。対文協は民間団体として、ささやかではありますが平和を「幻想」にさせないための努力を続けたいと思っております。 人々が国境、地域、民族の壁を超えて行くための努力は、まずお互いにその立場を理解することから始めなければならないと考えます。お互いに持つ文化、伝統を尊重し、交流を継続することがまず第一歩と考えます。対文協はその仲立ちをいたします
恒例となった「研究会」やシンポジウムなどを通じて、国際的な感覚を広げ、交流の少ない国々との行き来を広げたいと思います。こうした活動も皆様のご理解がなければできません。独善的な感覚ではその役割は果たせません。このニュースレターも出来る限り新しい情報を皆様にお送りして、世界の現実を知っていただくことを目的に発行をいたします。私達の平和への志をご理解いただきますようお願いし、新年のあいさつといたします。
[対文協だより]
※ パノフ大使に記念品を贈る
1996年秋に着任以来7年というかつてない長い間、駐日ロシア連邦大使として日ロ両国間の関係改善に努めてこられたアレキサンドル・N・パノフ大使は昨年末、その任期を終え帰国されました。対文協では関係団体と協力して記念品を贈りその労をねぎらい、感謝の意を表しました。記念品の送呈は11月28日、ロシア大使館で開かれたパノフ大使の「さよならパーティー」の席上、石原萠記・対文協副会長、一樋宥利・日ロ交流協会副会長、長峰義博・日ロ協会理事から大使夫妻に贈られた。
なお、パノフ大使は駐ノルウェー大使に就任の予定。
※ 04年対文協新春賀詞交歓会開く
恒例の対文協「新春賀詞交歓会」が1月27日午後5時30分から、霞が関ビル33階東海大学校友会館「望星の間」で開かれた。会員、招待者など約200名が参加にぎやかな新年会となった。松前達郎会長が「新しい時代の節目を自覚して活動したい」と参加者のご支援をお願いしてあいさつ。ガルージン駐日ロシア大使館臨時代理大使、センドフ・ブルガリア駐日大使のあいさつのあと堤清二対文協顧問の発声で乾杯し、参加者は新しい年に向けての抱負をお互いに交歓し、歓談した。
[特 集]
大統領、大企業と対話、合意
<コメルサント 1月9日>
◇ 「ブラック・リスト」にまだ他の名前
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ 大統領選候補に10人が名乗り (コメルサント 1月9日)
◇ グルジア新政権、改革路線打ち出す (コメルサント 12月18日)
◇ ロシアからの政治難民はまた増えるのか? (モスコウ・ニュース誌 2003年48号)
◇ 治安維持機関出身者を支持するのは誰か? (イズベスチア 12月20日)
◇ 記録的に低いモスクワの失業者数 (イズベスチヤ 12月26日)
◇ 2004年国内総生産、4.5~5.5%の伸び予想 (イズベスチヤ 12月19日)
◇ ウラン取り引きの秘密 (論拠と事実 No・50)
◇ 今後は国家資本主義建設 (論拠と事実 No・1)
[資料]
◇ 台頭した新政党「祖国(ローディナ)」
<ブラースチ 12月15日号>
○ 若い経済専門家
○ 若い民族主義者
○ その他の脇役陣
○ カクテル政党
[焦 点]
※ メディアに見た「イラク派遣」の是非
対文協常務理事 加藤 順一