174号(2003・11・15)
[対文協だより]
※ 第51回研究会開く
対文協恒例の第51回研究会は10月29日、青山学院大学国際政治経済学部長の袴田茂樹教授を講師に迎えて開催。「近づくロシア下院選挙の動向とプーチン政権」について約1時間講演、その後フロアとの熱心な質疑が行なわれた。袴田教授ははじめにこの9月に訪問したウズベキスタン、カザフスタン、キリギスタンの中央アジアと最近のモスクワの状況について報告、「改革が進む首都モスクワをとりまくロシア経済のいびつさと中央アジア諸国の今後の関係発展について示唆に富んだ報告が行なわれた。
この後、12月早々に行なわれる国家会議(下院)の選挙のもつ意義と来年3月の大統領選挙についてもふれ、興味ある研究会となった。(概要は別記『資料』に掲載)
※ モスクワ大学副総長来日
ロシア・モスクワ国立大学のアレキサンドル・サレツキー副総長とユーリー・ババエフ国際協力部次長が10月24日、国際武道大学(篠田基行学長)との交流代表団として来日、同日霞が関ビル・東海大学校友会館で行なわれた同大学20周年記念式典と祝賀会に来賓として出席、松前達郎会長(東海大学総長)らと歓談した。
副総長一行は25日勝浦市の国際武道大学キャンパスを訪問、学内諸施設を視察、交流を行なった。27日午後は対文協の尾郷良幸専務理事らと会見、来年6月にモスクワの松前重義記念野球場で開催予定のモスクワ国際学生野球大会(日本対外文化協会協力)の実施について打ち合わせを行なった。打ち合わせ協議には日本側から山田清志東海大学国際部長(対文協常務理事)や渡邊隆司同国際課長、柴田雅治同スポーツ課長らが同席した。なお一行は29日熊本市の九州東海大学を訪問した後、同31日成田発帰国した。
《新刊紹介》
◇ 「ロシアのビッグビジネス」ヤコブ・パッペ/溝端佐登史共著(文理閣刊・本体2800円)
最近、ロシア経済の活況を背景に、構造や行動が大きく変化しているロシア企業の動きを綿密に迫った最新、最良のロシア紹介書。日本でも知られるパッペ国民経済予測研上級研究員の著「オリガルヒ」に、ロシア企業の実証的研究に取り組む溝端京大経済研教授が加筆した。「ホドルコフスキーの帝国」など10大財閥集団も詳しく紹介されている。
[特 集]
◇ ウォローシン大統領府長官の辞任 <コメルサント紙 10月29日>
◇ ユコス事件の足取り <モスコースキエ・ノボースチ紙から>
[ロシアの新聞・雑誌から]
◇ 新長官は「ペテルスブルク法律家」人脈 (コメルサント紙 11月1日)
◇ 警官5人暗殺はイスラム過激派の仕業 (コメルサント紙 10月1日)
◇ ウクライナ・ゴンガッゼ事件に新事実 (コメルサント紙 10月25日)
◇ ロシア国籍取得手続の簡素化 (論拠と事実 No43)
◇ 縁起を担ぐ非常事態相 (論拠と事実No41)
◇ 徴兵に代わる代替労働・2万人が徴兵拒否 (論拠と事実 No41)
◇ アカデミー会員2名にノーベル賞 (イズベスチヤ 10月8日)
◇ 相変わらず汚職天国 (イズベスチヤ 10月8日)
◇ 1―9月の実質所得は、13.3%上昇 (イズベスチヤ 10月22日)
◇ スト件数3ヵ月ゼロに (イズベスチヤ 10月22日)
◇ 貧困層の増大 (イズベスチヤ 10月31日)
[資料]
◇ ロシアの下院議院選挙とプーチン政権
袴田茂樹・青山学院大学国際政治経済学部長、教授
[焦 点]
※ マスメディア支配の危険性を考える
対文協常務理事 加藤 順一