157号(2002・6・10)

[対文協だより]

*ロシア美術展、宇都宮で開催

  4月、町田市立国際版画美術館を皮切りに3都市巡回を始めた、ロシア絵画美術展、ロシア・アヴァンギャルトと出会った日本「極東ロシアのモダニズム1918-1928」展(東京新聞・日本対外文化協会主催)は5月26日から宇都宮市の宇都宮美術館で開幕した。前日の25日午後2時半から同会場で開会式・レセプションが行われ、来日したクズネッオフ記念チタ郷土誌博物館のウラジーミル・ゴルレチェフ副館長があいさつ、「この画期的な展覧会がかけ橋となって極東ロシアと日本がより身近になり、美術展を通じての文化交流が活発になることを期待します」と述べた。なお宇都宮展は7月7日まで開催引き続き7月16日から9月1日まで函館市の北海道立函館美術館で開催する。


*国際学生野球大会開催

  スポーツを通じての友好親善を目的とした「第8回モスクワ国際学生野球大会」(主管/東海大学・モスクワ大学、協力/日本対外文化協会)が6月26日から4日間、モスクワ大学の松前記念野球スタジアムで開かれる。大会には日本から東海大学、国際武道大学城西大学の3チームをはじめニューヨーク州立大学、韓国漢陽大学、ウクライナ学生選抜のほかロシア学生選抜、モスクワ大学の8チームが参加、敗者戦を含むトーナメント方式で優勝が争われる。


  *訃 下中常務理事死去

  対文協常務理事の下中邦彦氏(平凡社相談役、下中記念財団理事長)は6月6日、呼吸不全のため死去しました。77歳。同氏は対文協創立当時より出版界代表の一人として参画、理事としてソ連。東欧諸国との出版交流に務め、1992年常務理事に就任、新体制による対文協の強化、運営に貢献されました。葬儀は近親者のみで済まされ、近く平凡社と下中記念財団による合同葬が予定されている。

  謹んでご冥福をお祈りいたします。

[新刊紹介]

◇  「ロシア・CIS経済ハンドブック」 小川和男/岡田邦生共著
    (全日出版刊・本体 2300円)

  1991年のソ連崩壊後、連邦を構成していた15の共和国が独立し10年の歳月が流れた。いま市場経済への急成長を続けるロシア・CIS諸国は政治的、経済的混乱も見られるものの、新たなビック・マーケットとして世界が注目している。

  本書はこれらの国々の事情に精通する屈指の専門家として、頻繁に足を運びながら、その動向を長年にわたり見続けてきた著者が、この10年を振り返りながら、今後の動向予測を試みたもので、中でもロシア以外のCIS諸国の政治経済情勢に多くの頁を割いているのが特徴で、類書にない貴重な資料と合わせ、参考資料としても大いに役立つ一冊である。

[特 集]

◇  「クレムリンの州知事操縦法」
 1.  登録の末梢
 2.  憲法による抑圧
 3.  権力行使による介入
 4.  協力な対抗馬で
 5.  投票用紙の偽造
   (ブラースチ誌 18号 5月14日付)

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇共産党、セレズニョフ議長を除名 (コメルサント 5月28日)

◇ソ連流民族大移動の検証 (論拠と事実 NO・20)

◇バチカン、ロシア正教徒学生を追放 (イズベスチヤ 5月8日)

◇進む学位改革 (イズベスチヤ 5月16日)

◇ロシア人のヨーロッパ想いは、片思い (イズベスチヤ 5月28日)

◇品質保証のないユーラシア主義 (モスコーニュース 17号)

[資 料]

◇  「プーチン政権下のオルガルヒ」
   (ブラースチ誌 19号 5月21日)

[焦 点]

◇  「国益」と「知る権利」のバランス
   (対文協常務理事  加藤 順一)