146号(2001・7・10)

[対文協だより]

*第37回研究会開く

  日本対外文化協会の第37回の研究会は、6月25日午後6時30分から霞が関ビル・東海大学校友会館で、来日中のロシア新聞論説委員のフセヴォロド・オフチンニコフ氏を講師に招いて開催した。テーマは「ロシアにおける言論の自由とジャーナリズム」で、ソ連時代を通じて50年にわたるジャーナリストとしての経験をふまえ、連邦崩壊後の民主化とプーチン政権による政治改革に対する、マスメディアの現状とその役割について約1時間にわたり報告した。

  さらに同氏は参加者の質問に答え、連邦時代自らが著した「桜の枝」に対する批判、圧力を例にとり、ロシアにおいて必要なのは言論の自由と共にマスコミの正直さ、誠実さであると語り、今後のバランスのとれた公平な報道に努めたいと述べた。


*日本とロシア・市民学会に参加

  日本ロシア・東欧研究連絡協議会主催の「日本とロシア-歴史・交流・共生」市民学会が、6月23、24の両日、東京府中市の東京外国語大学に研究者や市民ら約300人が参加して開かれた。会は川端香男里(ロシア文学会)、和田春樹(東京大学名誉教授)両氏らが中心となり、ロシアと日本を多角的にとらえ、シンポジウム、講演などを組み合わせた総合的なイベントとなった。

  第1日目は「交流Ⅰ・交流団体・NGOの活動」「交流Ⅱ・実務者の交流」など4つのセッションに分かれてリポート、討議が行われ、日本対外文化協会は「交流Ⅰ」(司会・佐々木照央埼玉大教授)に参加、加藤順一事務局長は「複雑に入り組んだ日ロ両国の関係の中で、はたして文化・学術交流が、政治状況と全くはなれて存在し得るのか。相互理解は表面的な交流では果たせない。奥行の深い交流は政治・経済・文化といった問題を正確に把握して行われるべきだ。特に大国ロシアと正面で向かい合う場合、交流と支援を分けて考える必要がある」と今後の市民レベルでの交流についての問題点を提起した。

  2日目の24日は「歴史」-革命と出兵、緊張・戦争・冷戦についてのセッションを開催、さらに「日ロ経済協力の現状」「文学・芸術の交流」について討議が行われ、最後に「北方四島とわれわれの未来」についてパネルディスカッションが行われた。


*第4次薬草調査団シベリアへ

  ロシア科学アカデミー極東支部との交流協定に基づく、第4次極東シベリア地区薬草調査団が5月31日から1週間にわたりウラジオストクをはじめ、バルナウル、ノボシビルスクの3地区を訪問した。調査団は石倉千代治理事(望星薬局顧問)を団長に谷越安男監事(東海教育産業社長)、曽田成則理事(参議院政策秘書)、吉本旬志(望星薬局常務取締役)の4名で、ウラジオストクでは極東国立大学を訪問、スモーリスカヤ副学長ら薬学専門家と懇談したのをはじめ、バルナウルではアルタイ地方植物治療センターでコレバノフ所長、ノボシビルスクではシベリア地方植物治療センター所長のヤブロンスカヤ女史ら研究者や専門家と実務協議を行い、「ガンの治療と予防における薬草の役割」など各種資料の提供を受け、6月7日帰国した。


 お願い

今年は対文協創立者で初代会長の松前重義博士の生誕100年(没後10年)に当たります。対文協では各種の生誕100年記念行事を計画しておりますが、その一つに「松前重義写真集」(仮称)の刊行を予定しております。  読者の皆様のお手元に「国際交流に関わる松前重義氏」の写真がありましたら、事務局へご一報をお願いいたします。ご提供または借用いただければ幸甚です。 


*在京大使館異動

  [ロシア連邦大使館]97年着任以来政治、友好団体担当として勤務したレオニード・シェフチューク参事官はこのほど4年近い3度目の東京在勤の任務を終え帰国することになった。同参事官は通算18年を越える日本勤務の経験があり、知日派外交官の一人で、帰国後は外務省勤務の予定。

  [ブルガリア大使館]ヴェラ・ステファノワ2等書記官が96年10月着任以来、文化広報担当として4年9ヵ月にわたる勤務を終え、このほど帰国した。

  [ウズベキスタン大使館]98年3月、初代駐日大使として着任したアリシェル・シャイホフ大使は3年半の任期を終え離日することになった。同大使はベルギー王国大使兼欧州共同体代表部大使としてブリュセルへの赴任が決まっている。

[特 集]

「ガスプロム」社長の退陣劇  (コメルサント・ブラースチ・6月5日号)
  《「ガスプロム」版のプーチン改革》
    ◇ビヤヒレフは何を脅えたか。
    ◇「ガスプロム」分割案の浮上。
    ◇「ガスプロム」社の今後。
    ◇ビヤヒレフ氏の経歴。

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇「フォーブス」の世界富豪リストに8人  コムソモリスカヤ・プラウダ・6月23日

◇トレチャコフ編集長、独立新聞を去る  イズベスチヤ 6月7日

◇将軍たちは、チェチェンから撤退を・・・・  軍事評論家 パーベル・フェリゲンガウズル

◇ペテルブルクへ、新特急列車運行  イズベスチヤ 6月13日

◇◇聴覚障害者のための大学  イズベスチヤ 6月8日

◇グラスノスチ財団10周年会議  イズベスチヤ 6月2日