309号(2015・1・30)

[年 頭 に 当 た っ て                会 長  松 前 達 郎]

 明けましておめでとうございます。
 本日は、2015年、新春・賀詞交歓会に、かくも多数の会員の皆様、多くの大使、大使館員の皆様、また関係各位にご出席いただき誠に有難うございます。
  日本対外文化協会は1966年に創立され、来年で50周年を迎えます。この半世紀の間に世界は大きく変わりました。設立当初は東西冷戦の真っただ中であり、当時のソ連並びに東欧諸国との交流は非常に難しい時代でした。そうした中で、対文協は相互理解と友好親善を促進させるため、学術・文化交流を架け橋に精力的に草の根民間外交を進めて参りました。それは今日でも変わるところはありません。1991年に新生ロシアが誕生し、すでに四半世紀が過ぎようとしています。実はこの1991年は対文協設立者の松前重義が亡くなった年でもあります。生前はロシア、東欧との関係にいろいろと努力しまして、その結果を見るように息を引き取りました。この間、国際社会も大きく変貌してきました。時代と伴に変遷していく国際環境や社会形態に応じて、国際交流の手法も変えて行かなければならないことは言うまでもありません。1980年にアルビン・トフラーが著書「第三の波」の中で、来るべき社会は多様化の社会、情報化の社会であると予言していました。今日のインターネット社会は善悪に関わらず、国境を越えた多様化した情報化社会となっています。民間交流の活動も多角的な視点から展開して行かなければなりません。皆様ご存知かと思いますが、内村鑑三という方がおりました。1911年にデンマルク国の話という講演を行いました。その中で、国の興亡について、それは戦争の勝敗によるものではなくて、戦争で負けたとしてもその民の平素の教養等あれば、あるいはよき宗教、道徳、精神や文化がある限りその国は滅びないと述べたわけであります。こういった精神を我々も頭に置きながら、今後も努力を続けていこうと思いますが、対文協は創立の理念「平和な世界」を旗印に掲げ、学術・文化交流を通して、日本と諸外国間の相互理解の促進に寄与できるようきめ細かな活動を進めて参ります。対文協の活動にご賛同いただき、ご支援ご協力いただいております会員及び諸団体関係者の皆様には心からの感謝を申し上げますとともに相変わりませぬご支援とご鞭撻を賜りますよう願い申し上げます。皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げ、挨拶とさせていただきます。

[対文協だより]

* 2015 新年賀詞交歓会開くく  対文協恒例の新年賀詞交歓会が2015年1月27日午後6時から霞が関ビルの東海大学校友会館で開かれ、会員をはじめ友好団体や様々な国の在京大使館員、来賓ら150名が出席、2時間にわたって交流・歓談が和やかに行われた。
 松前達郎会長が新年の挨拶を述べ(別項)、来賓のブルガリア共和国のゲオルギ・ヴァシレフ駐日特命全権大使による挨拶、乾杯で新年の会が始まった。ヴァシレフ大使は「ブルガリアと対文協の関係は設立1年後の1967年に始まりましたが、松前先生が掲げられた平和の実現という理想は大きく発展し、今も多くの人々の中で生きています。」と述べた。会場では東海大学の外国人留学生との和やかな交流風景もみられた。

[特 集]

「クリミア問題とロシア2大思潮の対立」
                 <ブラースチ誌 12月1日号>

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇ ウクライナ・ドネツク情勢悪化の兆し (kommersant.ru. 1月24日)