180号(2004・5・15)

[対文協だより]

※ 松前会長にサンクト建都300周年記念ダル

  昨年建都300周年を迎えたサンクトペテルブルク市は、各国首脳らを迎えての記念式典をはじめ各種記念行事が盛大に展開されたが、日本の民間団体もこれに参加、親善交流を兼ねて伝統文化を紹介し、行事に華をそえたが、このほどプーチン大統領令による「サンクトペテルブルク建都300周年記念メダル」が日本の友好団体に贈られ、その贈呈式が14日午前11時30分から都内麻布台のロシア連邦大使館で行われた。

  式には森喜朗前首相ら来賓、関係者多数が出席、ロシュコフ大使から松前達郎会長にマトビエンコ・ペテルブルク市長サイン入りのデュプロマと共に記念メダルが贈られた。

  なお、同日森前首相と共に日露賢人会議のメンバーに推された山下泰裕東海大学教授も合わせてメダルが贈られた。


※ アジア・環太平洋学長研究所長会議開く

  第9回アジア・環太平洋学長研究所長会議(APUPC=主管・東海大学、協力・日本対外文化協会)が5月19・20の両日、アメリカをはじめカナダ、オーストラリア、中国、韓国など13の国地域が参加してロシア極東・ウラジオストク市のヒュンダイホテルを会場にして行われる。日本からは東海大学のほか九州・北海道東海大学、早稲田大学、立命館大学、北陸大学が参加する。

  今回のメーンテーマは「アジア太平洋の対話における大学の役割」で、4つのセクションに分かれ、それぞれ基調報告のほか、地域安定のための大学間の対話をはじめ、人類の安全、平和の研究、遠隔教育、地球温暖化、環境の監視などについて討論、最終日に「ウラジオストク宣言」を採択して閉会する。


※ ロシア語検定試験実施要項決まる

  ことし3回目を迎えるロシア連邦教育科学省認定による本邦唯一の「ロシア語検定試験」は9月3・4・5の3日間行われることになり、その実施要項が決まった。

[新刊]

※ ◇ 『チェチェン大戦争――イスラムのターバンと剣』 植田 樹著(日新報道社刊・本体 1800円)

  ロシア南部のチェチェン共和国は親ロシア派のカディフ大統領暗殺により、ロシアからの独立派とロシアとの対立の溝はますます深まり、抗争拡大の要素を見せている。チェチェン紛争は19世紀のロシア帝国のカフカス地域の領土併合に始まり、チェチェンの人々の独立要求は200年以上も続いている。

  本書はNHKモスクワ特派員、解説委員として長年ロシア、中央アジアを取材、研究に携わってきた著者が、カフカスの長い戦いの歴史に光りをあて、現在進行中の事象と奥に隠された問題と本質を分かりやすく解明した「チェチェン紛争」の本質を知る好書。

[特 集]

  ロシア人記者のチェチェン報告

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇ 元チェチェン大統領暗殺事件裁判始まる (コメルサント紙 4月13日)

◇ 模索する賢人会議 (論拠と事実 No.16)

◇ ロシア人はなぜ金持ちが嫌いか (論拠と事実 No.18)

◇ 昨年の未成年の自殺は7800件 (イズベスチヤ 4月17日)

◇ 戦争直後を上回るロシアの孤児数 (イズベスチヤ 4月14日)

◇ 高級官僚は,金持ちの新ロシア人 (モスコウニュース 15号)

[資料]

◇ 地域統合による連邦改造計画
    ブラースチ誌 3月22日

[焦 点]

※ EU拡大と新しいヨーロッパの出現
    対文協常務理事  加藤 順一