175号(2003・12・15)

[対文協だより]

※ 日露・国際シンポジウム開く

  北朝鮮問題を討議する日露・国際シンポジウム「ロシアから見た北朝鮮情勢」がロシアから2人の専門家を招いて、12月6日午後1時から、千代田区内幸町の日本プレスセンターで開かれた。イラク問題と共に関心の強い北朝鮮問題だけに、会場には200人を越える一般の参加者をはじめメディアや日ロ関係者がつめかけた。

  毎日新聞社と共催による国際シンポジウムは今年が4回目で、はじめに主催者代表(藤井弘・対文協専務理事、北村正任・毎日新聞主筆)のあいさつがあり、石郷岡建・毎日新聞専門編集委員の司会で、パネラーのアレクサンドル・ピカーエフ(ロシア・カーネギー財団研究員)とオリガ・マリツェワ(ロシア極東在住ジャーナリスト)両氏がそれぞれ基調報告を行なった。

  ピカーエフ氏は、「北朝鮮は核が米国の攻撃に対する抑止力になると考えている」とのべ、さらに現在北朝鮮は1、2個の核爆発物を所有していると指摘した。またマリツェワさnは外国人ジャーナリストとして金日正総書記と2度にわたって単独インタビューを試みた人だけに、金日正の性格や人となりについて興味ある報告を行なった。 会議は引き続きパネラーとの質疑に入り、フロアからの鋭い質問に熱心に応えるなど3時間にわたるシンポジウムを終えた。(概要は毎日新聞12月20日付朝刊6面参照)


※ ロシア専門家歓迎夕食会

  対文協と毎日新聞社と共催による日露・国際シンポジウムにパネラーとして参加のため来日した、ロシア・カーネギー財団研究員のアレクサンダー・ピカーエフ氏と女性ジャーナリストのオリガ・マリツェワさんを囲んでの対文協主催の歓迎夕食会がシンポジウム前日の5日夕、霞が関ビルの東海大学校友会館で開かれた。

  夕食会には毎日新聞社からは朝比奈豊編集局長、伊藤芳明同編集局次長、中井良則外信部長、石郷岡建専門編集委員が、対文協からは平野裕、石塚英夫の両常務理事のほか事務局の藤井弘専務理事、加藤順一同・事務局長が、またゲストとして枝村純郎元駐ロ大使が出席、2人のパネラーを囲み食事をはさんで歓談。その間シンポジウムの先取りさながらの質疑が行なわれ、同8時すぎ散会した。


※ モンゴル大統領歓迎レセプション

  外務省の賓客として12月3日来日したモンゴル国のナツァギーン・バガバンディ大統領の経済・民間関係諸団体合同の歓迎レセプションが4日午後6時半から、港区の赤坂プリンスホテルで行なわれ、衆・参の国会議員や諸団体関係者300人が出席した。対文協からは藤井弘専務理事、坂田俊文常務理事のほか電通、望星薬局など会員多数が出席した。


※ 松前会長にブルガリア国民議会友好メダル

  このほどブルガリア駐日大使として来日した、ブラゴヴェスト・センドフ新大使が正式就任を前に11月20日、霞が関ビル・東海大学校友会館に松前達郎会長を表敬訪問、来日のあいさつを行なうと共に、日本ブルガリア協会の会長を兼ねる松前会長にブルガリア共和国国民議会からの友好メダルが贈られた。新大使は05年の愛知万博に参加するブルガリア側事務局長をつとめるアンナ・センドワ夫人と共に歓談した。なお会談には藤井弘専務理事も同席した。


※ 研修生OB、ホコノフ教授来訪

  00年度対外研修基金の研修生として、東京学芸大学新田英雄研究室で共同研究を行なったロシア、カバルノ・バルカル国立大学物理学部教授のムラート・ホコノフさんが、11月18日新宿の新事務所に来訪、事務局スタッフと歓談した。 ホコノフ教授の今回の来日は、先に新田教授と共同研究を行なった「放射と対生成の理論」の成果に伴う同研究課題がこのほど「科学研究費基盤研究C」として採択されたためで、ホコノフ教授は17日から1週間にわたって日本側新田教授との共同研究の総仕上げについての実務的な打ち合わせを行ない、同23日帰国した

《新刊紹介》

◇ 『ドキュメント・プーチンのロシア』 山内 聡彦著(NHK出版・本体2200円)

エリツィン末期カラプーチン前期の4年間、NHKモスクワ支局長をつとめた著者がロシアから発信した切れ味のよいNHK報道番組を記憶する人は多いだろう。二回のプーチン大統領との単独会見をはじめ、多数の要人、専門家のインタビューなど大量のメモ、資料をもとに筆力豊かに書き上げたロシア内幕もの。2期目に入るプーチン時代の本質を読む絶好の書。

[特 集]

◇ グルジア政変とロシア
 ◎ 新政権の顔ぶれ決まる  <コメルサント紙 11月27日>
 ◎ モスクワの奥の手は   <コメルサント紙 11月29日>

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇ ホドルコフスキー事件の波紋 (コメルサント紙)
  ◆ ユコス新社長にセミョン・クスケ氏(11月5日)
  ◆ ホドルコフスキー社長の拘留延長(11月12日)
  ◆ 石油会社の「オフショア特権」廃止へ(11月18日)
  ◆ 大統領、汚職追放を呼びかける(11月25日)
  ◆ ジブネフチ、ユコスとの合併計画中止(11月29日)

◇ 下院選挙 (モスコウ・ニュース 45号)
  ◎ 最後のチャンスか:<エヴェゲーニ・キセリョフ編集長記>
  ◎ 愛国主義者として十分に評価されなかったプーチン大統領:<政治学者、リリヤ・シェフツォーワ記>

◇ 平均的ロシア国民像 (論拠と事実 No47)

◇ 不法滞在者は400万人 (論拠と事実 No47)

◇ モスクワの廃棄物は3億トン-処理は10~15% (論拠と事実 No46)

[焦 点]

※ 自衛隊イラク派遣と国民の危機意識
    対文協常務理事  加藤 順一