156号(2002・5・15)

[対文協だより]

*第35回定時総会開く

  日本対外文化協会の第35回定時総会は2002年度理事会と合わせ、5月14日午後4時から千代田区霞が関ビル・東海大学校友会館で開かれ、松前達郎会長をはじめ役員、会員ら51名(委任49)が出席した。

  総会は松前会長に次いで星野力男副会長があいさつ。後藤亘副会長を議長に選出し議事を進行、2001年度の事業・決算・監査の報告事項3件および役職変更に伴う交替人事として森隆一(電通常務執行役員)、山田清志(東海大学国際部門主幹)両氏の理事就任について承認の後、議案審議にうつり創立35周年記念行事を中心とした2002年度の事業計画および財政計画案が全会一致で承認され、午後5時閉会した。

  35周年記念特別企画としては、ロシアから2名、中国から1名の若手学者、研究者を講師に迎え、日、中、露国際シンポジウム「21世紀の中国と日ロ関係」を9月に開催する。松前会長は「35年という伝統ある歴史を踏まえ、創立の理念である『学術文化を通じての恒久平和の探求』を地道に進めて行きたい。関係者の一層のご支援、ご叱正をお願いしたい」と述べた。 


*創立35周年記念パーティー

  対文協創立35周年記念パーティーは定時総会に引き続き、午後5時から会場を「富士の間」に移し、会員をはじめ関係団体、マスコミ、在京12か国の大・公使など各界から約15名が出席して開かれた。

  会ははじめに松前達郎会長が35年の歴史を振り返ってあいさつ(別項)、来賓の児玉幸治・経済同友会日ロ交流委員会委員長(商工中金顧問)があいさつの後、ガルージン・ロシア公使の発声で乾杯、1時間半にわたり熱気あふれる歓談の輪が会場いっぱいに広がり、尾郷良幸専務理事による中じめのあいさつがあり、同6時半すぎ散会した。


(松前会長あいさつ要旨)

  日本対外文化協会は、その名前が代表するとおり、幅広く活動、とくに世界との文化あるいは相互理解のため、いろいろな交流事業を展開してまいりました。いわゆる民間交流が主体であります。その理念としては、「世界に恒久平和を実現すること」、これを高い理想として今日まできたわけであります。

  1966年1月に設立総会があり、松前重義を初代会長として活動を開始しました。当時、松前重義は会員の募集に当たって、次のようなことを言っております。「私は日本対外文化協会の会長を引き受けたのは、偏った国と偏った勢力による交流を打ち破って、日本のすべての人が自発的な考えに基づいて、どの国とも文化交流を促進することが、これからの日本の発展に寄与することだ、と考えた」こういう風に述べていたわけです。

  当時を振り返りますと、冷戦構造がだんだんと厳しさを増してきた時期でもありました。こういった中で新しいきずなを持ちながら、交流を推進するということは大変な努力が必要でありました。そういうことも含めての対文協の設立であったわけであります。

  設立の年の8月に早速、松前重義を団長として5名ほどの代表団を編成して、当時のソ連、東ドイツ、ハンガリー、ユーゴスラビア、ブルガリアの5ヵ国を訪問し、これらの国々と学術・文化の交流協定を結びました。以来対文協はこの理念に従って活動を行ってまいりました。それが35年間続いた最大の成果であったと考えている次第です。

  しかし、この間すべてが満帆であったわけではありません。10年前、冷戦構造の解消を見た当時、実は対文協も一波乱ありました。もう対文協の役割は終わったと言う人もおりました。そこで理事の皆さんと相談、そうではない。冷戦構造が対文協の将来を決めるのではない。われわれの理念が決めるんだということで、さらなる活動を展開、今日を迎えたわけであります。

  ご承知のように現在は戦争に変わってテロという時代になりました。この意味においてこれからは教育というものが非常に重要な役割を持つのではないかと思っております。対文協はこういった面からも、これからの運営を考え、有効な活動を展開していきたいと思っております。皆さんの一層のご支援、ご指導を心からお願い申し上げます。


*ペテルブルク大学副学長ら来訪

  来日したサンクトペテルブルク大学ロシア語文化センターのスタニスラフ・エレメーエフ所長(広報担当副学長)とブャチェスラフ・カルーギン同副所長が4月24日午後、渋谷の事務所に来訪、加藤順一事務局長、藤井弘専務理事、橘克子担当ら事務局スタッフと懇談、今後の語学研修生受け入れ等について意見を交わした。一行はこの後、霞が関ビル東海大学校友会館に松前達郎会長(東海大学総長)を表敬訪問尾郷良幸専務理事を交えて歓談した。

[特 集]

◇  ロシアから見たウクライナ総選挙
 ◎ウクライナ主義の勝利
  1.  〈左派〉
  2.  〈中道派〉
  3.  〈完全野党〉
  4.  〈ロシア系〉
  5.  〈結び〉
     (ブラースチ 13号)

[ロシアの新聞・雑誌から]

◇変化するロシアの大学と学生の意識 (コメルサント・ブラスチ 4月9日号)

◇外国人観光客の誘致政策に着手 (イズベスチヤ 4月12日)

◇北海道で密輸の取り締まりを強化 (コメルサント 4月9日)

◇スキンヘッドは必要か (論拠と事実 17号)

◇ロシアの最高年金額は? (論拠と事実 16号)

[資 料]

◇  ソ連ファシストの歴史
   (モスコー・ニュース 15号)

[焦 点]

◇  クレムリンへの「密使」
   (対文協常務理事  加藤 順一)