136号(2000・9・10)

[対文協だより]

*緊急研究会開く

プーチン大統領が帰ったら直ぐ聞こう!という緊急の研究会を9月7日午後6時から、外務省欧亜局の小寺次郎ロシア課長と元駐露大使の枝村純郎氏を講師に迎えて開催した。

研究会は日ロ首脳会談を終えた翌々日とあって、会場の霞ヶ関ビル・東海大学校友会館の「星望の間」は会員をはじめマスコミや一般・企業人など100名近い聴講者で満席。会は「日ロ首脳会談で何が語られたか」をテーマに、対談形式で進行、枝村氏の巧みな質問に対し、小寺課長は会談の背景を含め、約一時間その成果について報告した。

対談の後、フロアからの質問に対して、2000年までに平和条約を締結するため努力するという、クラスノヤルスクの合意はまだ有効で、世論の啓発を含め、ロシア側に強く理解させるための努力を続けるとの政府の一貫した方向づけを示唆した。


*2000年度ロシア語研修生出発

対文協とロシア東欧貿易会の協力による「2000年度ロシア研修生」は、8月30日成田からモスクワ経由サンクトペテルブルグへ出発した。今年度はサンクトペテルブルグ大学ロシア語文化センターへのサンクト組のみで、一行は9月1日の開講式に臨んだ後、4日は在サンクトペテルブルグ日本総領事館を訪問、在留手続きをしたあと、川勝一成総領事と懇談した。研修生は来年6月までの10ヶ月間同センターで授業を受ける。


*対外基金研修生に修了書授与

対文協対外研修基金により99年度研修生として、昨年11月来日、東海大学文学部第一考古学教室(関根孝夫教授)で、金原保夫助教授らと共に、数次にわたる同大学トラキア調査団の成果を元に、古代トラキア文化と日本の古墳との比較研究をおこなっていた、ディアナ・ゲルゴワ女史(ブルガリア科学アカデミー付属考古学研究所・博物館上級研究員)の修了式が4日東海大学湘南校舎で行なわれ、松前達郎会長(東海大学総長)から終了証書と記念品が贈られた.修了式には関根教授と金原助教授が同席した。

ゲルゴワ女史は感謝の挨拶と共に「東海大学トラキア調査団の成果はブルガリアにとっても非常に貴重なもので、今後とも交流を続け、さらに成果を高めたい」と述べた。


*薬草調査団シベリアへ

対文協理事の石倉千代治・望星薬局顧問を団長とする「ロシア・シベリア地区薬草調査団」一行4名が、7月28日から8日間、シベリアのイルクーツク、リストビアンカを訪問、一週間にわたってリストビアンカの食品会社「シブマク」の社長で薬草専門家のエフゲーニ・メリニコフ博士の案内で、同周辺地区の薬草群生地帯を調査・視察を行い、8月4日帰国した。{調査団}石倉団長、谷越安男(対文協常務理事・東海教育産業社長)、曽田正則(対文協理事)、吉本旬志(望星薬局常務取締役)

[特集]

「日ロ首脳会談で何が語られたか」
       枝村 純郎 <元駐ソ連・ロシア大使>
       小寺 次郎 <外務省欧亜局ロシア課長>